与えられた体はしなやかに美しく 全てが充分すぎるほど完備されており 何も望むものなどないはずなのに 欲望を覚えた子供達は アレが欲しい、コレがいらない、と 壊しては再三求めた。 その体は決して子供達のものではないのに 借りた体だとも忘れてしまい 壊して壊して 最後は土に還る。 彼はそれをとても悲しく思い それでも子供達を誰より深く愛していた。 いっそ 全てを洗い流してしまおうか、とも考えてみたけれど 今はまだその時ではない。 彼は温かい慈悲の心でその日を待っている。 何も知らない子供達は また呑気に、壊して壊して 土に還る。 |